わたしの名前は…






「でも…
絶対反対するよね…
それが普通…」



ヒトシの父は、
宿泊施設の管理職。

本社への出張やら何やら…
家に帰るのが遅いか、いないか、どちらかが殆ど…


今日はやっとヒトシと休みが合い…

ヒトシが両親に、
私とカナムのことを話す…





「やっぱ私も行くよ。」

「いや。
ちゃんと俺の気持ちを親に伝えたい。
親子の話をするだけだから、
今日は俺一人で…」




もしもいきなり反対されたら、
私が傷付くかもしれない、
そう思っているのか…



ショックだけど…
負けないのに…

私も
あなたを支えたいのに…



信じていないんじゃ…

簡単に諦めたり、
逃げ出したり、

あなたがいたら絶対しないのに…





悔しかった…
淋しかった…


不安だった…



「何で…
一緒だってウチに来たときみたいに思ったまんま話せばいいじゃん…」

「そうだけど…
あぁ、今サキを俺、
不安にさせてんな…
大丈夫だよ。
信じろ。
俺もサキを信じてるから。」

「信じてるなら何で!
一緒に話し解ってもらお?
反対されたって
私はヒトシを諦めたりしないよ!」

「あはは…
今ので充分。
愛してるから、
頼むから、まずは俺に話させて…
次はちゃんとサキにも会ってもらうから。」

「何で!
会うよ、今日会うよ!
会って
ヒトシを愛してるって伝えるよ!」

「あ!
初めて言った!
知ってるけどな♪
俺も愛してるから…サキ…
だから聞かせたくないコトバもあるんだよ…
とにかく、俺を信じて黙って笑ってろ!」





ヒトシは強制的に電話を切った…



聞かせたくないコトバ…

何だろう…

曖昧な表現…

何を言うんだろう………

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