わたしの名前は…
-12 『私は…』
翌日、
私はヒトシの両親に会った。
ヒトシの両親の要求で、
カナムも一緒に…。
知らない家の、
知らない人間…
カナムはどんなに不安を覚えるだろう…
なんて…
余計な心配だった。
「おー!いらっしゃい!
君がカナム君か!
ジジですよぉ!
コレ、ババですよぉ!」
「ババ?!
何かあなたに言われるとムカつくわね…
カナム君、ババですよ!
さ、サキさんも入って!」
「ジジとババ?
カナムジジとババ、いっぱいだ♪」
何も心配いらなかった…
ヒトシの両親は、
ヒトシの両親だった…
この、私の愛するヒトシを育てた、人達だった。
この親にして、
この子、在り―――。