わたしの名前は…
「ヒトシから、昨日聞きました。
正直、はじめはびっくりしたし…」
「正直、反対したの…
半端な気持ちじゃ、
あなたやカナム君まで傷つけるしね…
ごめんね…」
「でも、ヒトシの話をちゃんと聴いて、
息子が本気なのも解ったし…
サキさんという人間を見ているのにも、
親として驚いて…」
「私達はあなた達3人を
応援しようって思ったの…」
「今日、サキさんとカナム君を見られて、
本当に良かった…
あなたという人を息子が好きなのが、
よーく理解できた。」
「カナム君の笑顔、素敵ね…」
はじめましてのババの膝の上に座って、
ニコニコ顔のカナム。
「子供は正直だもんね。
サキさんがそばにいるだけで、
安心してババに抱かれて、
こんなにいい顔ができるのよ?」
「この顔を見たら、
あなたという人に、
心配はいらないと、
私達も安心できました。」
「ヒトシ、
あなたはこの笑顔をちゃんと守って行くのよ…
サキさんが笑ってなきゃ、
カナム君も笑えないんだから。」
「解ってる。
俺もサキが笑ってないと笑えないから…」
そう言ってヒトシは
私に優しく微笑んだ…。