わたしの名前は…
「たっだいまぁー♪」
「お帰りぃ、パパ!!」
「おかえりパパ!」
「ただいま、カナム♪
ただいま、セイア♪」
愛の上に成る―――
成愛(セイア)2才…
私とヒトシの2人目の子供…。
セイアを妊娠したときは、
周りがみんな心配した…
ヒトシが
2人の子の父親に…
平等になれるのか…
―――心配御無用。
だって…
ヒトシだもん。
「あれー?
サキがお帰りのチューしてくんない(泣)!」
「パパ気持ち悪い…
サキさぁ、さっきからずっと携帯イジってて、
超つまんないのっ!!」
「何?何か書いてんの?」
「んー…待ってね…
今…終わるから…」
「待つよぉ!
いつまでだってまーつーわー♪」
「キモっ!
ってか、カナム!
ママのことサキって言わなかった、今!!」
「だってサキは、サキだろ!?
パパだってサキって言うじゃん!」
「そう。
サキは、サキだよなぁ!
でも、
サキはパパのだからサキって言っちゃだめぇ。」
サキはサキ…
私は“サキ”。
それ以外の何者でもない…
“私”を見て、
“私”を愛し、
必要としてくれる、
あなた達がいてくれるから
“私”は“私”でいられます―――
「よし!
終わり!ただいま!!」
「ママ、まちがえた!」
「あはは!
だね、セイア。
でもねぇ、ママもきっと今、帰ってきたんだよ。
おかえり。サキ。」
「ママあたまイイコ、イイコいいなぁ…」
「へへっ。いいでしょお♪
おかえり、ヒトシ。
ただいま―――」
ただいま、“私”―――
あなたの“あなた”は、
帰ってますか?
あなたもココロの中に持っていませんか?
ゲンジ名――――
《完》