わたしの名前は…


「おぅ、後輩!
入ってプロレス観ろ」


コウキ先輩が無邪気な笑顔で手招きしている…


「何ちゃん?
プロレス好きなの?
気が合うねぇ!」


もう1人の男が楽しそうに笑う…


…あはは
何この人たち、
何でいきなりプロレス?

プロレスなんて観るわけないじゃん!
好きどころか、
ちっとも解んないって(笑)

この、
ケンカ上等・格闘馬鹿!



なんだ、怖くないじゃん。

みんなおもしろいヒトばっか。


イツキ先輩が私を見て微笑む…

「な、大丈夫、
ここにいるオヤジ達、
みんなプロレスラーの裸にしか勃起しねーから」

「んあぁぁぁ?!!!
イツキ!四の字固めだっ」

2対1、

「いってぇ〜〜〜!」

イツキ先輩の負けぇ。

「オレ“は”女の裸にしか勃起しないよ?」

私の肩を後ろから優しく、軽く押して、
ナルセ先輩は布団の上の女の隣に座った


「んぁ?! ナルセぇ!!」

みんな笑う、
私もいつのまにか一緒に笑ってた…

後輩は、横を通るとき一礼して避けるこの人達…

ウワサ程壊れた人達じゃないや。

“百聞は一見にしかず”
ウワサやパッと見じゃ判りにくい人達…

知り合ってみて損はない!
かな?…



導かれ、いとも簡単に流れに巻き込まれ…

この人達の時間の中に
私の、
生きてる時間を少し置いてくる…

この時は、
まだ、
そんなことになるとは思いもしなかった…
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