わたしの名前は…
「コウキおかしいよっ。
私のこと好きで抱いてんじゃないじゃん!
嫌いなら抱くな!
コウキの子殺した奴なんか
抱かなきゃいいじゃん!」



胸が押しつぶされそうだった

コウキの愛を
感じられなかった…

妊娠に気付くあの日まで
満たされ続けた
愛されている自信の反動で
悲しいを通り越して

消えてしまいそうだった…


「オレの子ができんのが怖ぇーんだろ!
オレの子なんか欲しくねーんだろ!!」




―――これが

コウキの本音か………



「恐いよ!何が悪い!
コウキの子だから
好きな人の子だから、
だからもう殺したくなくてすんごい恐いよ!
何が悪い!!!」


「―――。」


「コウキの子、
もう殺したくなくて何が悪い!
何か間違ってんなら
無理矢理ヤレばいいだろ! 私を嫌いだったら
私を殺せ!!」





もう、私たちは終わりのケンカをしているんだ。
そんな哀しさで
叫び散らしていた…

私が叫んだのも、
口応えしたのも、
初めて聞いたコウキ

コレで終わりだ…
そう思った…

私たち、最後に初めてケンカしたね…

もう、言うことはなかった

あまりの叫び声に
黙り込み
いきなり立ち上がるコウキ


(殴られるっ――)



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