わたしの名前は…



「何で最近お前携帯に電話しないの?!
最近オレがかけてばっかじゃん!!」


少し機嫌悪そうにコウキが言う



それはね―――



でも、つまり最近
コウキが夜、家にいないってことでしょ?!

今日だってそう、
私は家に電話したんだ。

なのにいなくて、
今頃酔っ払って…

最近真夜中に
コウキの電話で起こされることが多い

酔って帰って、
楽しかったところから静かなところに戻り、
物足りなくて、やっと私を思い出したんでしょ?



せっかくコウキの声を聞けたのに、
なんて醜い私のココロ…



今まで何していたの?
今まで誰といたの?


一度聞いたことがある。

でも、一緒にいた友達と
その彼女達といたと
平然と教えられた


「何で女いたとか言うの?
言わないでよ!」

「だって
やましいことないし、
お前に嘘つきたくないし」




そりゃ、嘘つかれるのは確かに嫌だけど
でも、知りたくない…

だからもう聞かない。

そうして私は、
コウキとの間に
してはいけないこと、
聞いてはいけないこと、
言ってはいけないこと…

たくさんの壁を
少しずつ作りはじめていた

すべては、
自分のこころを守るため…

壁をやぶったら
その先は崖っぷち…

そんな感覚が
いつしか私を追い込みだした―――
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