わたしの名前は…
でも、

遊んでも、遊んでも満たされない――


理由は知ってる。


コウキじゃないから――



誰といたってコウキと比べる…
違う…とか、
当たり前のことを思う

それでもいい

自分が声かけた女が自分といる、
それだけで笑顔を見せる。
いきなり機嫌の悪い
人なんかいない。

自分がいるだけで
その時だけでも、
幸せを感じてくれる、
私はいるだけでいいんだ。

それが私に自信をくれる。

でも、この自己治療、お金がかかる…

自分がしたいことへの努力は惜しまない。

私はバイトをし始めた

寮は門限がある。
短時間で稼げるバイト…

私は、学校の生徒用の新聞の広告をチェック

何週間も週末に挟み込まれる求人広告を吟味…

いつみても、
短時間で稼げるバイトなんて、
職種が決まっている…


お・み・ず――



やっぱコレしかない!
キャバクラに行こう!!

バイトするのは
コウキに当然秘密。

初めてキャバ嬢面接。
めちゃくちゃ緊張―――


でも、難なくO.K.

洋服は貸してくれるし、
面接した主任はやさしい。

バイトだから
指名手当や同伴手当は全くナシ。

だけど、同伴での客引き、アフター(終わった後に客とご飯したりすること)も
ナシ。


「ウチはお触り一切禁止。
触られたらお父さんに言いなさい。」


と、主任。

ホントにこの人にはお世話になった。


「君は君の
したい仕事をするために、 勉強するのが一番大切。
ここでは、ヘルプだけすればいいから、
携番教えるのも、お父さんが禁止します!」


と、すっかり私のお父さん(笑)。



ここなら大丈夫だ。

私は、
ミキというゲンジ名で働きだした…
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