わたしの名前は…
その後、私は無事卒業し
地元に帰って、
なりたかった仕事に就いた。

それから1回だけ主任から電話があった。



「ミキ、あー、サキ、
元気か!?」



なんか疲れた声だった…
でもなつかしい声だった。


「疲れてるね、主任。」


あの後、結局、
No.1は主任にずっとお世話になっているからと店に残り、

No.3はもと
その新宿の店のコで、
ある事情で逃げてきたため店に残り、

No.2だけが
引き抜きを受けたという。


しかし、引き抜きを見抜けなかった責任、
結局稼いでくれる女のコが減った事実故、

か・な・り

怒られたらしい



「お前またやらない?」

「おかげ様で、ちゃんとやりたかったこと、やってるし、
もう、そっちいないんだ。
ごめんね…」

「あー!だよな!
そっか、ちゃんとやりたいことやってるか!
良かった、良かった!
お父さん、安心した!
じゃあな、元気でな!」





短い、短い電話だった。

女のコ少ないんだ…
また、悩んでんだろうなぁ主任…

それから、二度と電話は来なかった

今も元気に、
頑張ってるんだろうか――




私はその電話があった時、
また笑えていない、
笑えない時間の中にいた。

短い、短い電話で、でも
主任の声を聞いて
少し笑顔になれたんだ…

あなたは、私のキモチ
本当に読める人みたいだね―――
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