わたしの名前は…
-6 『行方』


コウキからの電話…




着信音は、ずっとコレ、
ピヨ・ピヨ・ピヨ…

変えないの。
ずっと…
はじめてコウキから電話がきて

「登録しとけ。」

って、言われた時に登録した着信音

あのときのうれしさを
ずっと感じていたいから―――


「もしもし、
こちら木下警察署。
どうなさいましたか?」


今日は私がかける番なのに
夕飯前に何でしょう?



「おー。
授業終わったか?」

「終わったよ?どした?」

「んー…」


なんだか明るい雰囲気じゃない、
電話の向こうのコウキ――

「な、に…」

何だか嫌な予感がして
人気のない場所にむかう…

「あのさ…
あんま言うのも嫌なんだけど…」

「何?言わなきゃ解んないじゃん…」

「ん―――
お前さぁ…」

「私さあ、何?」

「浮気してね?」


「はっ?!
何急にそんなワケ解んないこともったいぶっといて言いだしたの!!」


と、言いながら
もしかして冬休み前のこと?

誰かこっちに来てる地元のヒトとかに見られてた?

え?でも今更?



頭の中で
自分のしたことがどうにかしてバレたのかとヤバイ・ヤバイが
グルグル、グルグル…



「急にっていうか…
してんのかよ浮気!
誰かとヤッたんだろっ!!」




???


「ヤッた?
何それ?
何でそんな話し急にすんの?」

やる?してないよ?
キスさえしてない。

何の話?


「したんだろっ?!!」


身に覚えがない、
でも、コウキが何だかめちゃくちゃキレていた…



コウキの
私への疑いの理由はこうだった…
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