耳のない男


だったらもう老い先短い私を。


そう口にしたのは村の長老だった。


反対した皆の声を押しのけ、彼は祭りの当日、祠へと足を運んだ。


しかし。










年老いた男を差し向けられたと海の神は怒り狂ったのか。


村は激しい津波と豪雨に襲われ、その姿を無残にも消されてしまったのだ。






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