哀歌 <短>
本当は、ヒトが苦手なくせに、周りの目ばかりを気にして
独りになるのが恐くて、いつも群れの中に身を置いていた私。
一人がスキで、自ら望み、いつだって孤高を保っていたアナタ。
正反対の私達。
――綺麗だと思った。
不覚にも、私には悠真のその姿が、眩しく見えてしまったのだ。
誰にも流されることなく、思うままに生きている悠真。
それは悪意を持った目で見るならば、好き勝手している、ただのワガママだ。
だけど、私の目にはそれが、なんとも羨ましく、輝いて映ったのだ。
あぁ……
なんと不思議なことだろうか。
気付けば、一生交じり合うことのない、平行線のような道を歩いていた私達が、
いつのまにやら、寄り添って歩いていた。
アナタが歩く道も、私が歩く道だって、変わったわけじゃなかったのに。
それは、ごくありふれた、使い古しの言葉で片付けてしまえば
――“運命”。
そういうことになるのかもしれない。
安っぽい言葉だと思うけれど、それ意外に当てはまる言葉は思い付きそうもない。