哀歌 <短>
どうしてなのか。
時間に流された記憶は、劣化していくはずなのに。
昨日よりも、今日の方が
先週よりも、今週の方が……
……1年前よりも、今の方が、
悠真の存在が、私を支配する。
それは、徐々に私の体に染み渡り、まるで、侵食していくかのように――
私は怯えていた。
認めたくない感情を、受け止めなければならない日が、
少しずつ、だけど確実に、足音を立てて、近付いてきているということが。
だけど、言えない。
言えないよ、今さら。
こんなこと、誰にも言えやしない。
チッポケなくせに、頑なな私のプライド。
簡単に、壊すことなんてできない。
この胸で鈍く疼き、時に心を裂くような痛みを与える想いが、
今の私の、全てだっていうのに――
私は、悠真に愛されていた。
その事実が、私の心に、さらに痛みを増やす。
私は、悠真に何をあげられたんだろう?
何を伝えられていたんだろう?
決して返ってくることのない、ムダな問いかけ。
空しさと悔しさに似た感情が、私自身を締め付ける。