哀歌 <短>
こんなことになるのなら、嘘でもいいから、
一度くらい悠真の耳元で、愛の言葉を囁いてやればよかったな。
……違うか。
本当だから、言えなかったんだ。
本音だったからこそ、伝えられなかった。
それならば、せめて、サヨナラくらいは言わせて欲しかった。
だって、いつもアナタが言ってたことが本当なんだったら、
これって、永遠の別れってヤツなんでしょ?
天国なんて、ないんでしょ?
だったらアナタは、もうどこにもいないってことなんでしょう?
私達、もう二度と
逢うことさえできない――
……本当に。
まったく、いつだってイキナリなヤツだ。
嵐みたいに突然現れて、私の心に入り込んできたと思ったら、掻き乱して。
そのまま掴んで、離してくれない。
持て余した、溢れ出すこの想いを、
ぶつける相手を失った、この衝動を、
私はどうやって、昇華すればいいの?
……ねぇ、悠真。
答えてよ。
教えてよ。
お願いだから……
もう一度、
笑ってよ――