哀歌 <短>
悠真がいなくなったという事実を実感したくて、私は悠真が眠っていると聞いた場所に来てみた。
だけど……
わからない。
何も、感じられない。
この土の下に、悠真が居るだなんて急に言われても、実感なんて沸くわけもない。
私はどこにも、悠真の影ひとつ、感じることができなかった。
だって、私は悠真に別れを告げられていないし、
私だって、そんなことをした覚えはない。
それに、未来には、まだまだたくさんの約束を残しているのだ。
それは、二人じゃないと、叶えることのできない約束だ。
私ヒトリじゃ、何の意味も成さない。
あれからの私は、幾夜も空を見上げて、星を探してもみたけど、悠真はいなかった。
あのいつだって飾らない笑顔は、どこを探したって見当たらない。
「悠真のことを忘れないでやってくれ」
今さらって時に、真偽を尋ねにいった私に、悠真の友達は言った。
「もう忘れて、前へ進め」
それなのに今は、そんなことを言ってのける。
一体、どっちなんだ。
周囲は私が、まるでまだ現実逃避している哀れなヤツを見るような、
そんな悲しい目をするけれど、これはきっと、そんなんじゃない。
悠真が、この世界から消えていく過程も儀式も、この目で見ていない私は、本当に……
本当によく、わからないだけ。
それだけのことなんだ――