すみれ
着替え終わると、昨夜のうちに全て準備しておいた荷物を鞄に詰め、それを持って部屋を出る。

時刻はAM7:20。

今日は第二木曜日。

僕は毎月と同じように、玄関ではなく二階にあるトイレへと向かう。

玄関にいる両親の耳にも届くように、普段より少し強めにその扉を閉める。

それから約10分間。

僕はラベンダーの香りが充満するこの密室に籠るのである。

なぜなら、もうすぐ父親が出発する時刻なのだ。
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