恋のしるし~GIRL’S♪SONG~
「…うん…。あたし…櫂の事…フッちゃった…。」

「…やっぱりな。」

「え…?」

「俺らは同じ奴を好きになると、必ずどっちも幸せになれないんだ…。」


それは昔を懐かしむような声だった。


「そっか…。」

「…だから。」


千秋はシャッとカーテンを開けて、
あたしの寝っ転がるベッドの側に来た。


「千秋…。」


あたしは顔だけ千秋の方に向けた。

千秋は左手であたしの右頬に触れると


「だから…俺も、ダメって事だろ…?」

「っ…。」

「俺らはきっとそうなる運命なんだ。
美希が気にすることは無い。」


ゴメンね…。


「…千秋。」

「…ん?」


千秋の声がとても優しい。


「あり…がと…。」

「うん。」

「ゴメンねっ…。」

「うん。」

「あたしっ…千秋っ、大好きだよっ…!」

「バカだな、お前。
そんな事言ったら納得できなくなるだろ…。」

「…そう…だね。」


あたし、自分から告白した事無いから…分かんないや。


「俺、諦められないかもしれない。」

「え…。」

「当分は…な。」

「うん…。」

「でも、いつかまた恋をしたら。」


千秋はあたしの頬に添えていた手を引っ込めると
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