恋のしるし~GIRL’S♪SONG~
♪櫂 side♪


「ちぇえ~。」


俺は机に突っ伏しながら言った。


「どうした、櫂。」


と斜め前に座る裕介が言う。

良いよな、コイツは。
フられてなくてさぁ。


「僕、フられちゃったぁ。」

「…やっぱりな。」

「何だよぉ、やっぱりってぇ!!」


意味分かんねぇ。

ってか、なんで裏出さないかって?
だってここ教室だもん。


「俺、正直…美希の好きな奴、分かってた…から。」


裕介が頭の後ろで手を組んで言う。


「へぇえ? 誰ぇ?」

「…誰だろうな。」


なんだそりゃ!!


「美希から…聞けばいいと思う。」

「…確かにねぇ。」


そっちの方が、踏ん切りもつくか…。


「僕、屋上ぉ。」

「おぉ~。多分千秋もいるんじゃねぇ?」

「うん、いると思う。」


史也何か呆けちゃってるし。

窓の外見てボー…みたいな。

史也もフられたかな。


俺が屋上に行くと、予想通り千秋がいた。


「よ。」


俺は千秋の隣に座った。


もちろん、今は裏。

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