恋のしるし~GIRL’S♪SONG~
少しだけ涙が零れた。

でも、いけない。

泣いちゃダメだ。


あたしは勇士の肩をグッと押して離れた。

いつの間にか、勇士の腕の力は弱まってたから、
すんなりと離れた。


「なんかっ…ゴメンね、勇士っ…。」


あたしは涙目なのを隠すために、下を向いた。


「…。」

「あたし…もう、寝るね…。」


と言って顔を上げた瞬間…

何が起きたのか一瞬分からなかった。


気付くと、あたしの真上には天井。


「え…?」


あたしは、勇士に押し倒されてたんだ。


「勇士…?」


勇士は座ったままの体制を崩さず、
あたしの顔を覗き込んだ。


「やっぱり泣いてんのか…。」


って呟いた。


「嘘っ…。」


頬を触ると、いつの間にか頬を涙が伝ってた。


「あれぇ…ヤダなぁ…。」


あたしは涙を拭う。

でも、逆に涙が溢れて来て…。


嫌だ…泣きたくないのに…。


「っ…ゴメっ…。」


情けないなぁ…あたし。


あたし、案外弱いんだな…。


「…謝んなくていい。
謝んなくていいから…泣くなよ…。」
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