恋のしるし~GIRL’S♪SONG~
逆に泣いちゃうあたしの隣に、勇士も寝ころんだ。


「勇っ士…。」


あたしは勇士の方を向いた。


「どんだけ泣いてんだよ…。」

「だってっ…。」


勇士はあたしの頭の下に手を通すと、
あたしの後頭部を抑えてグッと引き寄せた。

そして、あたしを自分の胸板に押しつけた。


「勇士…。」


苦しいんだけど…。


「泣きたきゃ泣け。」


涙腺がもう緩々。


「無理すんな。」


あたしは静かにコクンッと頷いた。

あたしは勇士の胸の辺りの服にしがみ付いて
大泣きした。


その間、勇士はあたしの背中を
ずっと摩っててくれた。





…♪…♪…♪…





涙も収まって来た頃、あたしと勇士は
ベランダの側で窓を開け、空を眺めてた。


「勇士…。」

「ん…?」

「あたしね…?」

「うん。」

「まだ…。」


あたしはハッとした。


あたし、何言おうとしてるんだろう。


思わず…口を付いて出そうになった言葉。


”あたしね…? まだ…勇士の事好きなんだ”


そう、言いそうになった。
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