恋のしるし~GIRL’S♪SONG~
「勇士…。」


勇士はあたしから離れた。

ちょこっとだけ見えた勇士の耳は、真っ赤だった。


…そんな勇士が可愛くて、思わず笑ってしまった。

左手を口元に持って行き、口を隠すようにして笑った。


…ん?


口に当たった左手が…すごく冷たい。

…?


左手を見てみると、いつの間に付けたのかな。


指輪が、光っていた。




涙が出てきそう。


勇士……――。



あたしは勇士に後ろから抱き付いた。


「よ…ろしく、お願いします…。」




少しだけ、時が止まったかのような感じだった。


周りの音なんか、何も聞こえない。


『そろそろ終わったみたいだから、
登場してもらおっか。』


と千秋。


ステージを見ると、4人がニヤニヤしながら
こっちを見ていた。


げっ…。//


「行くか。」


と言って、あたしの手を握った。


「…うん!!!」


カチッという、マイクの電源を入れる音と同時に、
あたしと勇士はステージに出た。


『…えっと…。』


勇士が頭を触りながら言う。
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