I love U
どうしようもなかった。枕を抱えてベッドの上を転がってみたり、大音量で音楽をかけてみたり、テレビは面白くないし、本を読む元気もなかった。シャワーを浴びて鼻唄を歌ってみても気分は変わらない。たった一つのことが頭から離れない。私はケータイと部屋の鍵を掴んでマンションを飛び出した。結局行く宛もなくて、鳴らないケータイなんかじゃなくて、お財布でも持ってくれば良かったと心で呟きながら、近所の公園に辿り着いた。
「分かってる、分かってるんだけどさあー」
「みゃーあ」
野良猫に向かって話しかけたところで返って来る返事はそんなもので、私は大きくため息をついた。
一人でいると思い出してしまう。一人になると途端に淋しくなるから。あの人は中学の頃に大好きだった先輩によく似ている。真っ直ぐだったあの頃のようにはもうなれない。まだまだ若いと思っていたけれど、心はどうやらそうでもないみたいだ。考え方も見え方も、邪魔するものが多すぎて何もかもが歪んでしまう。
「分かってる、分かってるんだけどさあー」
「みゃーあ」
野良猫に向かって話しかけたところで返って来る返事はそんなもので、私は大きくため息をついた。
一人でいると思い出してしまう。一人になると途端に淋しくなるから。あの人は中学の頃に大好きだった先輩によく似ている。真っ直ぐだったあの頃のようにはもうなれない。まだまだ若いと思っていたけれど、心はどうやらそうでもないみたいだ。考え方も見え方も、邪魔するものが多すぎて何もかもが歪んでしまう。