サンタさんと受験生

「…乗り込めって落っこちたら責任とってくれよ。」

俺は窓から一歩踏み出しソリに足をかけた。

ちなみに俺1人が乗れるスペースは一応あった。

「その台詞はトナカイに言ってもらいたいね。」

自称サンタクロースは(もう自称はいらないか)トナカイの首に繋がっている手綱を引っ張った。

それを合図にするかのようにトナカイは空を蹴った。


「おぉ。」


言ったとおりだろうと言う目をした隣のサンタクロースを気にせずに、

俺は小さくなっていく自分の家を暫く見ていた。
< 11 / 28 >

この作品をシェア

pagetop