サンタさんと受験生
「この夢を配れるのは私がいると信じている子供達だけなんだ。」
「でもこの下にいる子は小学生以下だろ?」
最近の子はそんなものなのか?
‥まぁ俺もそのくらいの歳でサンタは親だって知ったんだけど。
「とうとう君の出番のようだね。」
「は?」
突然隣のサンタは俺に視線を向けた。
「出番って何の?」
「その少女に直接夢を配ってきておくれ。」
サンタは自分の赤い帽子を取ると淡いピンク色の夢をその中に入れた。
「はい。」
そんでその夢入り帽子を俺に渡した。
「…でもこれ配るにはあんたの存在を信じさせる必要がー‥」
「さぁ早くそこの窓から入りなさい。」
サンタは俺の愚痴を笑いながら流して、少女の寝ている部屋の窓までソリを下ろしていた。