サンタさんと受験生


その言葉を聞いたとき、この子は昔の俺みたいだと思った。

俺の家は昔は貧しくて俺にはプレゼントなんてくれなかったから。

親達が今年も何も買ってやれないと言う声を聞いてしまった日から、俺の心からはみんなより早くサンタクロースと言う存在は消えてしまっていたから。

「サンタクロースはちゃんといる。でもおもちゃとかを配ってくれるわけじゃないんだ。」

少女は俺の言葉に?マークを浮かべていた。

「サンタクロースは夢を配るんだ。」

「夢?」

「君は今までクリスマスの夜に悪い夢を見たことがあるか?」

少女は俺の問いに少し考えていた。
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