サンタさんと受験生


「おぼえてないけど、ないとおもう。」

「夢は見てもすぐ忘れちゃうけど、それにはみんなの希望とかサンタの願いとかがきっと詰まってる。」

俺はさっき預かったサンタの帽子を少女の頭に被せてあげた。

「温かいだろ?」

少女はコクリと頷く。

「それにまだ温もりがあるのはさっきまでサンタが被ってたからさ。訳あって子供には会えないらしいけど、

こっちが信じていれば来年も再来年も夢を届けて来てくれるんだ。」

少女はこっちを見て笑顔になった。

その瞬間にサンタの帽子に入っていたピンク色の光が出てきて少女の中へと入っていった。

ふわっと倒れた少女を受け止める。


少女の意識はもう夢の中のようだった。
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