サンタさんと受験生
弟のサンタ
靴下の中と
家に着いた頃にはもう時刻は朝だった。
でもまだ日は上っていない。
「一つ訊いていいか?」
「なんだい?」
俺は今度は弟を起こさないように窓から部屋に入りながら訊いた。
「何でサンタはおもちゃとかを配らないんだ?」
「それには色々と難しい問題があってね。理由の一つとしてはプレゼントに差が生まれるからかな。」
サンタはちょっと難しい顔になった。
「差?」
「例えば君が私に大学の参考書をお願いして弟君はゲーム機を頼んだとしたら?」
「‥不公平だ。ていうかサンタに参考書頼むほど勉強好きじゃないし。」
サンタは笑いながら例えばだと言っていた。