NO SPEED! NO LIFE!-Ⅱnd season-
=神崎・目線=


突然関西弁になった折谷先輩は、さっきの二倍ぐらいスピードあげて、俺の前をどんどん走る。


はやい、追いつけない。


「くっ…そ…!」


梨世先輩…。
俺の心に初めて入ってきた先輩なのに。
渡せない、梨世先輩だけは。
幼馴染だかなんだか知らないけど、俺だって梨世先輩が好きだ、負けられない…のに!!


思いと比例するように、足は早く動くのに、目の前の先輩も早さがどんどん上がってく。
なんで…。



速さだけは、負けない自信があったのに



「…っしゃあ!!!!」

「っうあ!!!!!!」


折谷先輩に、負けた。
係員の人が、折谷先輩に一番フラグを渡し、俺は二番フラグを貰った。


俯く。
このままじゃ、悔しくて。
俺は皮肉口を叩いた。


「…ちぇっ!梨世先輩から手を引きますよ!それで良いんでしょ!
ああ~あ、俺のモノにする自信あったのにな」

折谷先輩は俺のほうを向かずに、肩をぴくりと震わせ止まった。


















.
< 25 / 38 >

この作品をシェア

pagetop