君にもらった苺飴




 私たちは、ゆっくりと
 食堂へ向かう。


 『今日は何を食べようかな…』

 『あんこは、オムライス☆』

 『あ~ハイハイ』


 私の隣で楽しく話す
 小倉ちゃんと雅。

 私はとユーと
 ボーっと、歩いていた。


 『あさみん?』

 「…えッ?」

 『何ボーっとしてんのよ?』

 「あはは」

 
 笑ってごまかす。

 最近はいつもそうだ。

 
 何でも、笑ってごまかす。

 
 『あさみんは何にする?』

 「え?えーっと…」

 
 私は突然そう言われ
 あたふたした。


 『愛紗美チャンは、ナポリタン』

 「へ?」

 
 後ろから突然した声。

 私はすぐに後ろを向く。


 『でしょ?』


 モカブラウンの髪に
 パーマがかかっている。

 嗚呼、懐かしい人。


 

 
< 24 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop