君にもらった苺飴




 どうして彼はわかるんだ。

 私は、何もないフリを
 しているはずなのに…。


 「ちょっとだけ、なんかあった」

 
 正直に言ってしまおうと思った。


 いや、違う。
 私は頼ったんだ。
 彼を…光瑠君を頼った。
 
 私がこう言えば、彼は
 相談に乗ってくれる。

 彼は心配してくれる。

 彼は優しく、してくれる。


 『らしくないね、愛紗美チャンが正直に言うなんて』


 優しくふわっと笑う。

 その笑顔が温かかった。
 この人だけだ、きっと
 気づいてくれてるのは。


 「光瑠君」

 『何?』


 私が名前を呼ぶと彼は
 首をかしげた。

 
 顔は幼くても…
 雰囲気は私よりも
 ものすごく大人で…。


 
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