君にもらった苺飴
『大和先輩は初めての彼氏だったの』
ポツリと彼女はつぶやく。
俺は耳を傾けた。
『初めて好きになって、初めて付き合って…嬉しかった。でもね、騙されてるってわかったんだ。騙されてるのわかってたけど、知らないフリしてた。だって…別れたくなかったから。別れたら、もう大和先輩の笑顔は見れないし、手もつなげない。一緒に帰ることもできない。それが嫌だった』
グサッと俺の心に何かが刺さった。
片岡先輩に対する、愛紗美チャンの
想いはものすごく強いものだった。
聞いてるだけで…すごくわかる。
「片岡先輩と話さなくていいの?」
俺は聞いてみた。
愛紗美チャンの想ってること
全部片岡先輩に向けて言わないと
ダメな気がしたから。
『どうして?』
「そのままでいいの?愛紗美チャンは」
『だって、別れようって言ったのは
私だよ?』
「そーだとしても、今のコト
言ったほうがいいと俺は思う」
『光瑠君…』
「でも…無理はしないで」
俺はこう言い残して
その場を離れた。
嗚呼、告白もしてないのに
フられた……。
告白したとしても…フられる…。
日向光瑠 16歳
やっぱ永遠に片想いです。