君にもらった苺飴




 『愛紗美ちゃん?』

 「先輩…」

 『どしたぁ?泣きそうな顔して』


 頭上から伸びてきた大きな手。
 
 私の頭の上に乗っかる。

 
 手の温もりが…懐かしい。


 
 今にも、涙があふれ出てきそう。
 でも、抑えなくてはならない。


 これから、ちゃんと話さないと
 いけないから。
 今泣いたら、話が出来ないから。


 「先輩、話があります」

 『え?』


 泣きたい気持ちを隠して
 切り替える。

 キリッとした顔つきを
 私は先輩に向けた。


 『移動する?』

 「いいえ、ここで長々と話させていただきます」

 『え?長々と?』

 「私の気が済むまでお願いします」


 私は、深々と頭を下げた。


 『ちょっと!!頭上げて?』

 「いいですか?」

 『うん…聞くよ』



 私はゆっくりと頭をあげて
 彼の目を見つめた。







 

 
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