名も無き花
序章 机の上の紙じゃなくケータイと睨めっこするウサギ
ある日ある場所あるウサギ
ウサギ離れしたウサギさん。
彼?の趣味は最近流行りのケータイ小説。
主に書く方。
ウサギの眼が赤いのはね。
角を奪われて泣き過ぎたせいでも、車の排気ガスのせいでも、塩素たっぷりのプールに飛び込んだせいでもないんだって。
自分で書いた小説を読んで泣いてるからなんだって。
変なの…。
だいたいウサギのくせに生意気にケータイ持ってるあたりが気に食わないし。
だいたいウサギのくせに人語理解しているなんて有り得ないし。
でもでも、ウサギの妄想した人間の泣ける話って気になるかも。