名も無き花
拷問の順番待ちみたいだった、レジ待ちは終わった。


どうする?


……。


「昭ちゃん頑張って」

小声でそう言って、水谷さんが腕に絡み付いて来た。


気付いたら、出していた。
わざわざエッチィ本を一番上にして。

俺の中で今年最高の特攻!


店員の顔をチラッとみる。

何か、表情かたくね?


……ぁ。



なんか、表紙で悩殺な外見で確殺なポーズ決めてる女の子にそっくり!!

店員が…。


そっくりと言うか本人?


「カバーはお着けしますかぁ?」



なんか、口調に若干殺意っぽいものをかんじる。

その瞬間から頭の中が真っ白になった。



店員が値段っぽいものを言った気がするけど耳を素通りした。

レジのディスプレイを確認しようにも、意識が散って集中できない。


取りあえず、5000円を差し出した。
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