名も無き花
『それ』は、少し間を置いて書き出した。


『ありません』


嘘。


確信ではない。単なる勘。


これが、俺と目の前にいる『名も無き花』が本当に出会った瞬間かもしれない。


『ありません』


の言葉から出来上がった関係。


それは、まるで世の糸を引く何かに

「じゃ、作ろうよ!!」

的な、のりで作られたかの様に、軽はずみで、それでいて深い関係。


『ありません』は、俺が愛した、世で最も素敵な言葉にこれからなって行く。


例外無くこれも勘だ。
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