名も無き花
キッチンに立つ。意識を散らす。

気落ちしても料理くらいはしなくては…。
別に恋人じゃないし、失恋したわけでもないし、ただ寝ていただけ。目が覚めればまた話せる。

自分に言い聞かせた。

インスタント系のお手軽食品を買わなかったのが痛手となった昼。


気落ちした精神で料理したせいか、気分のせいか、喉を通る昼食の感触は不快だった。

まぁ、喉を通るだけましか。
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