名も無き花
これを至福と言わなかったら何処に幸せなんて存在するというのか……。


生きてて良かった。正直にそう思った瞬間だった。

それと同時に俺が、この手の事に強烈なアレルギー反応を起こす様な性格じゃなくて良かったと思った。


「あー、やっぱり醤油スープもいいなぁ」


できれば、これが終わらない夢であって欲しい。そんな事を考えながら食事を済ませた。


口はラーメンの旨さを忘れて、代わりに幸せを噛み潰していた。
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