名も無き花
「よぉ」
知らない声と同時に肩に手を置かれた。こーいう性格のせいで、今まで友達の1人も作らず大学まで来た俺はこんな場面に対応できない。
愛想笑い一つできない俺に、突然話しかけた相手が悪い。って事で、視線を一回送ってすぐ戻して見た。
「おいおい、何か言えよ」
そう言って今度は俺の向かいの席に座った。男に付きまとわれても嬉しくないのだが…。
「んー、取りあえず自己紹介するか!俺は神田 昭よろしくな。お前は?」
一方的だ…かったるいからケータイのプロフィールを開いて差し出した。
「…ん?電池ぎれだってよ」
…最悪。