名も無き花
「ごめん、待ったぁ?講義が長引いちゃってさぁ」

言いながら、ご機嫌なテンションで近寄ってくる。

そして気付く、もう1人いることに。

目付きが変わった。


「えーと、あいちゃん、その人だれ?」


そんなのこっちが聞きたい。


「いやーあのさ」

神田が何か言い出した。
次の瞬間

彼女は中指を立てて俺のおでこを弾いた。

「あたしは、友達呼んで良いなんて言ってないぞぉ?」


友達じゃないんだけど…
仕方ないか。

しかし神田に有無を言わせない割り込みと言い回しには関心する。

俺もあれくらい口がまわればいいのに…。


「まぁ、でもあいちゃんだから許しちゃう」


そう言って、腕にしがみついてきた。

意味が分からない…けど朝があれだから、別に今更不思議でもない。

そして嫌な予感。恐る恐る神田の方へ視線を流す。

案の定凍り付いてる。



この場合どうすれば良いんだ?
< 29 / 141 >

この作品をシェア

pagetop