名も無き花
ウサギの頭のすぐ横に顔を近付けて、画面を覗きこむ。

心が弾む音が聞こえた様な気がした。それと同時に体が熱を帯び、まるで何年も追い続けた彼を目の前にしている気分だ。

あたしにそんな経験はないのだけど。



そんなあたしなどお構いなしに、文字を打つ音が耳の中で踊っている。

まるで、あたしに何か語りかけている様。



あたしは眼を瞑った。
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