名も無き花
二人とケー番・メアドを交換した。

茶髪の子は
水谷 真優(みずたに まゆ)

金メッシュの子は
横井 祐希(よこい ゆうき)

と、言う名前だ。

小林さんは帰りに教えると、その場ではお流れになった。

その後、水谷さんと小林さんは講義があるから別れることにした。

「まだ、こうしていたいのになぁ」

水谷さんが、甘える様な声を出した。

「あ、昭ちゃんも一緒に行こうよー!一人くらい忍び込んだってわかんないからさぁ」

「アハハ、そうしたいのは山々なんだけどちょっと用があるから…ごめんね」

「真優はもう充分昭君とベタベタしたからいいじゃんかぁ」

羨ましそうに金メッシュが俺に続いた。

「はいはい、1人寂しくいきますよぉ」

そう言うと、名残惜しそうに腕を解いていった。

その時耳元でささやきが聞こえた。

「気をつけてね」

目を合わせると、ちょこんと頭を下げて水谷さんは踵を返した。
小林さんも後に続いた。


何に気をつけろと、言うんだろう。

二人の背中が見えなくなると、横井さんが一気に距離をつめてきた。

「これでうちが昭君を独り占めぇ♪」

弾んだ声を合図に今日の後半戦が始まった。
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