名も無き花
体についてる水滴をバスタオルに吸わせ、下着を手に取り身に着けた。最近ブラを着けて寝るのをやめた。

「つけて寝ると大きくならないよー」
と、真優に言われたのを真に受けて、疑いつつも実行してしまった。

この歳になると無意味な気もするのだが…。

お風呂を上がったら取りあえず、姉のいる部屋へ行く。

23時から放送のドラマ『ファーストキス』を見るためだ。
好きな番組がまるで違う姉と、珍しく気が合った気がする。
趣味も性格も違うのにこのドラマは二人を引きつけた。


原作は16歳の高校1年生の女の子で
最近流行のケータイ小説作家らしい。


文字を打つのが激しくかったるいケータイで、よくこれだけ書けるなぁと、関心する。

1人暮らしをしていた姉のアパートに居候しているので、他の家族に邪魔される心配はない。

今日は一時間拡大放送だから、邪魔が入らないのは都合が良い。

午前25時
姉に一言

「おやすみ」

と言ってベッドへ直行。
電気を消してケータイを手に握る。


何かを期待しているわけでもないけど

待ち遠しい…馬鹿みたい。



そして終わった、うちの一日。
< 47 / 141 >

この作品をシェア

pagetop