名も無き花
手を見つめる。
蘇る感触
今更照れが絶頂にきた。
部屋の電気を消した。ケータイの液晶に写るメール画面
宛先:小林 佳奈
深夜25時に話す様な気のきいた話題など、俺には思い付くはずなかった。
耳の中で繰返す透き通る様な綺麗な声、脳裏を支配する甘え声、目を閉じれば触れられるはずもない君の幻影。
『ねぇ、小林さんなんて、他人行儀やめて、佳奈って呼んでほしいな。
私も昭って呼ぶから…』
帰り道、彼女と別れてすぐに送られて来たメールを読返す。
ベッドの中で寂しさに抱かれて終わる俺の一日。
寂しさに奥深くまで心を侵される感覚が愛しく感じられる孤独な夜。
家族がみているドラマのエンディングテーマがドア越しに聞こえて来る。
たしか『ファーストなんとか』
物寂しげなその音は、窓に浮かぶ満月から零れ落ちて来る様に感じた。
フェードアウトする意識と視界、夢の世界から迎えが来た。
蘇る感触
今更照れが絶頂にきた。
部屋の電気を消した。ケータイの液晶に写るメール画面
宛先:小林 佳奈
深夜25時に話す様な気のきいた話題など、俺には思い付くはずなかった。
耳の中で繰返す透き通る様な綺麗な声、脳裏を支配する甘え声、目を閉じれば触れられるはずもない君の幻影。
『ねぇ、小林さんなんて、他人行儀やめて、佳奈って呼んでほしいな。
私も昭って呼ぶから…』
帰り道、彼女と別れてすぐに送られて来たメールを読返す。
ベッドの中で寂しさに抱かれて終わる俺の一日。
寂しさに奥深くまで心を侵される感覚が愛しく感じられる孤独な夜。
家族がみているドラマのエンディングテーマがドア越しに聞こえて来る。
たしか『ファーストなんとか』
物寂しげなその音は、窓に浮かぶ満月から零れ落ちて来る様に感じた。
フェードアウトする意識と視界、夢の世界から迎えが来た。