名も無き花
第1章 天から…じゃなく地に転がってた非現実
ここは、日本のどこか。
季節は多分秋。理由、ちょっと肌寒くて、窓から外を見ると紅葉なんかが目に飛び込んでくるから。

ぼーっと窓から外を見ていると、一人の青年が歩いているのが見える。

何処にでもいそうな普通の青年だ。

強いて言えば少し地味だろうか…。

まぁ、私にはどーでもいいことだ。これから青年がどんな幸運を掴もうと、どんな悲劇にみまわれようと、はたまたドラマみたいな人生を歩み出そうと、私の生活には何ら変化が起こり得ないのだから。



いつもの様に、憂鬱な朝を迎え、自分で作った不味い朝食を食べる。時計の針に背中を押されて家を飛び出す。

重い足取りで駅に向かい。改札くぐればゴミ虫みたいな人の海。例外なく私もゴミ虫と変わりない。

ちょっとカワイィ女子高生のミニスカに目を奪われて、今日も頑張るよ。なんて哀しい通勤。


会社じゃ上司に叱られ、後輩に馬鹿にされる。

たまに友人と飲みに行くと、聞かされるのは、つまらない愚痴より更に迷惑な惚気話。
アルコールを流し込まなきゃ到底耐えられるものではない。
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