名も無き花
仕事も終わって家路につくと、浮かんで来るのは決まっていつも不機嫌な妻の顔。

妻の機嫌がいい笑顔なんて、もう十数年見ていない。

安月給とは言っても一応月70は貰っているし…。

なのに小遣いは3万。最近の若者風に言うなら「どんだけー」と、言ったところだろう。


あ。さっきの青年が引き返してきた。家に忘れ物でもしたのだろうか?

まぁ、私には関わりない事だ。さて、仕事に取り掛かるとしよう。

後ろから上司の痛い視線を感じて始まる私の一日。
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