名も無き花
どうせ出席しても、欠席アウトには変わりないから、学内の喫茶店に場所を移した。

「今日講義入れている人ってレアだよねー。昭ちゃんそんな真面目に見えないんだけどなぁ…。」

そう言って俺の顔をニヤニヤしながら覗きこんでくる。

「…冗談だよ!そのくらいで怒らないでー」

笑いながら悪戯に俺の肩を叩いた。

「しかし昭ちゃんが教論取ってるとはなぁー」

「は?教論??」

「そう、教育徳論」

「いやいや、そんなしちめんどくさいもん取ってないよ?」

「じゃぁ何取ってたの?」

「政治学だけど…」

「それ今日じゃないよねー?今日は土曜日だし」

水谷さんは苦笑いしながら言った。

「土曜??…。」

その時ケータイがなった。
メールだ。姉から。

『そろそろ着いたかなぁ??なんか人身事故とかあっておつかれさんだったね

じゃ頑張って帰っておいでー♪』

…ハメられた。
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