名も無き花
姉の自慢を聞いているうちに、なんだか変な気分になって…

「そんなに気持ち良かったならうちがやってあげるよ」

「ぇ?なに言ってるのゆうき?女どうしじゃ無理よ」

「じゃぁ試してみる?」

そう言って姉を押し倒した夜は今でも忘れない。

うちはバスケ部、姉は美術部。姉に拒む力はなかった。

あの日がなかったら今はないだろう。男女両用なんて変態になることもなかった。

だけど後悔はしていない。姉の笑顔を見る度そんな事どうでもよくなる。

こんな変態も、一応女で男の子にだって興味はある。彼がいた時期もある。

姉と遊ぶのが麻薬的にやめられなかったうちの欲を、制御してくれたのが彼だった。
< 78 / 141 >

この作品をシェア

pagetop