名も無き花
姉はベッドの上でおびえる様に小さくなっていた。
うちの姿を確認するなり

「お願いゆうき、あたしの話を」

言い終わる前に、向かって右肩を蹴り払った

姉の胴体がベッドの上に倒れる

続けて、脇腹に数回蹴りを入れた

押さえようにもどうすることも出来ない殺意と狂気に頭を支配されていたうちはただそれに従って姉を痛め付けるしかなかった

多分、うちがサディストとして目覚めたのはその時だろう

「ゆうき、やめ」

腹を踏み付けた
姉の悲鳴が部屋に響く

うちがその時中学じゃなかったら
男の子と同じ力があったら
姉は死んでいたかもしれない

今思い返してもゾッとする

その後うちは、姉にまたがり首を掴んで言った

「どうして、あんな事したの?」

しばらくの沈黙、無理もないがあの時は耐えられなかった。
< 81 / 141 >

この作品をシェア

pagetop