名も無き花
「答えてよ、答えろぉぉぉ!」

枯れたはずの喉が一瞬命を吹き替えした。

「へ?」

その瞬間ガクンと力が抜けた
正確には力が入らなくなった

「少し黙って、ゆうき…。お願い。」

姉の手がうちのスカートの中に入っている。

「や、いゃ…」

「そんなに怒らないでよ。ちょっとゆうきの彼に良いこと教えてあげただけよ?」

「そゆう問題じゃ、キャッ」

「ゆうきも、カワイィ声出せるのね」

姉の体のうえに崩れ墜ちた。抵抗しようにも力が入らない。

「あたしさぁ…」

姉が語り出す。

「いゃ、…ダメッ」

その間も姉の攻撃が止まる事はない。

「寂しかったんだぁ、ゆうきが彼とばっかり遊んでて、全然あたしの相手してくれないんだもん。

だから、彼と引き離せばまたあたしの相手してくれるかなぁ?なんて思った。」

苦笑いしながら恥ずかしそうに姉は言う。

「ゆうきが、遊んでくれるから彼とも別れたんだよ?
だってあの人あたしの体にしか興味なさそうだったし…。ゆうきに遊ばれるのはいいけど、あんな男の玩具になるのは嫌。あの夜からあたしはゆうきのものなんだよ、知ってた?」

あの夜…うちが姉を押し倒した夜。
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