名も無き花
彼と別れた? ねーさんはあたしのもの? 知らない…そんな事かけらも考えつかない。
うちがねーさんを苦しめていた?
ねーさんのためを思ってやっていたのに?
頭が錯乱状態に陥った。
頭のなが真っ白だ
「ゆうき、こっちむいて」
姉の声がうちの意識を混乱の中から引きずり出す。
そらしていた顔を、姉に向けた。姉の優しいまなざしがうちの視界を支配する。
それ以外の風景が色あせる。
姉はうちを抱き寄せて口付けた。
その時、姉を傷付けた罪悪感より先に立った、不思議な安堵感が崩壊した心のかけらを拾い集めて包み混んだ。
「ごめんね、痛かったでしょ?」
そう言って姉は、うちの出血している右手を掴んで自分の眼前にもってきた。
「あたしも痛かった、ゆうきのあんな姿を見て…ごめんね」
姉の声が止んだと思ったら、右手に生暖かい感触。
姉があたしの血を舐めている。血液型は同じだから問題ないが…さすがにまずいだろ?
けど、うちに拒む力はなかった。姉の舌が、どす黒い血をまとって綺麗な赤に変色していく。その色に当てられてうちの意識は姉の腕の中へ…
うちがねーさんを苦しめていた?
ねーさんのためを思ってやっていたのに?
頭が錯乱状態に陥った。
頭のなが真っ白だ
「ゆうき、こっちむいて」
姉の声がうちの意識を混乱の中から引きずり出す。
そらしていた顔を、姉に向けた。姉の優しいまなざしがうちの視界を支配する。
それ以外の風景が色あせる。
姉はうちを抱き寄せて口付けた。
その時、姉を傷付けた罪悪感より先に立った、不思議な安堵感が崩壊した心のかけらを拾い集めて包み混んだ。
「ごめんね、痛かったでしょ?」
そう言って姉は、うちの出血している右手を掴んで自分の眼前にもってきた。
「あたしも痛かった、ゆうきのあんな姿を見て…ごめんね」
姉の声が止んだと思ったら、右手に生暖かい感触。
姉があたしの血を舐めている。血液型は同じだから問題ないが…さすがにまずいだろ?
けど、うちに拒む力はなかった。姉の舌が、どす黒い血をまとって綺麗な赤に変色していく。その色に当てられてうちの意識は姉の腕の中へ…